■相続の開始
遺産相続は被相続人の死亡によって開始します。(第八百八十二条)
相続が開始すると、相続人は、被相続人の一身に専属したもの以外の被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。(民法八百九十六条)
■遺言の確認
相続が開始した場合、まず遺言を確認します。
なぜなら、遺留分を除き、遺言の内容が遺産分割協議等に対して優先されるからです。
■相続人調査
次に、相続人調査を行います。
相続人調査とは、 被相続人の戸籍を調査して法定相続人が誰であるかを調べることを指します。
他の相続人の存在に気がつかずに相続手続きを進めてしまうと、後から他の相続人に遺留分減殺請求権を行使されてしまうというリスクがあります。
さらに、遺産分割協議の際に相続人全員が揃わずに分割協議を行ってしまうと、相続トラブルに発展する恐れがあります。
そのため相続人調査が必要です。
■相続財産調査
相続が発生した時には、相続する財産がどのくらいあるのか、どのようなものであるのかを調査する相続財産調査が必要になります。
相続財産調査を基にして、相続を単純承認するのか、限定承認するのか、それとも放棄するのかといった選択をおこないます。
さらに、相続人間で誰がどの遺産を相続するのかを確定する遺産分割協議を行う際にも相続財産が明らかになっている必要があります。
■遺産分割協議
遺産の分割方法を相続人全員で相談して決めることを遺産分割協議といいます。
遺産分割協議で確定した内容は遺産分割協議書という形で書面で残しておくのが望ましいです。
■限定承認 相続放棄
相続は、被相続人の一身に専属したもの以外の被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するものです。そのため、財産よりも負債の額が多い場合には、相続をしても損をしてしまいます。
そこで、相続が開始してから3ヶ月以内に裁判所に申述することで、限定承認 相続放棄の手続きをとることができます。
限定承認をすると相続人は相続財産を責任の限度として相続します。
相続放棄をすると相続人は初めから相続人でなかったものとみなされます。
遺産相続の流れ
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