相続における限定承認とは

相続方法には「単純承認」、「限定承認」、「相続放棄」の3つの方法があります。
通常、相続では相続人は被相続人の相続財産を全て受け継ぎますが、受け継ぐ相続財産には不動産や預貯金等のプラスの財産はもちろんのこと、借金なども含まれてしまうため、マイナスの財産も受け継ぐことになってしまいます。このように全ての相続財産を受け継ぐ相続方法を「単純承認」と言います。
また、プラスの財産もマイナスの財産も全て受け継がない相続方法があり、これを「相続放棄」と言います。
そして、相続財産を限定して相続することができる相続方法として、「限定承認」があります。
ここでは、限定承認について詳しく見ていきましょう。

■限定承認
限定承認とは、相続財産の限度のみで相続債務や遺贈を弁済することを留保し、相続をすることをいいます。相続財産のうちプラスの財産から債務を弁済するのみで、相続人自身の財産から債務を支払う必要が無いため、被相続人のプラスの財産とマイナスの財産のいずれが多いか不明確な場合に限定承認を行うことは有効な手段と言えます。

■申請の期限
限定承認は、いつでもできるわけではありません。
限定承認ができる期限は、相続人が相続を知った時から3ヶ月以内とされています。

■手続
限定承認は、家庭裁判所に申立てをしなければ効力が生じません。
また、限定承認は相続人一人で行うことはできません。
相続人全員で行い、申立は共同で行わなければなりません。

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