自己破産をした場合には、クレジットカードの作成やローンなどの分割払いなどがしばらくの間、利用できなくなります。
本記事では、自己破産からどれくらいの年数が経過するとクレジットカードを作成できるか、またその仕組み等について詳しく解説をしていきます。
◆自己破産をするとクレジットカードは使えなくなる
自己破産の手続きをすると、契約しているクレジットカードは全て強制解約となります。
契約をしただけで、一切利用していないクレジットカードであっても同様に強制的に解約をされます。
クレジットカードの解約時期は、自己破産を弁護士に依頼後、弁護士が受任通知と呼ばれるものを各カード会社に送付し、それぞれのカード会社が受け取り確認をした段階で強制解約となります。
もっとも解約となるのは、本人名義のカードのみであり、配偶者などの家族の信用情報に傷がつくわけではないため、家族のカードは今後も利用することができます。
また、クレジットカードにはさまざまな特典がついていることがあります。その代表例として挙げられるのが、各種サービスのポイントです。自己破産をしてカードが強制解約となった場合には、これらのサービスで貯まったポイントは全て失効されることとなります。
そのため、ポイントが貯まっている場合には、自己破産をする前に使い切った方が良いでしょう。
◆自己破産後にしばらくの間、クレジットカードが作成できない理由
自己破産をした場合には、信用情報機関に自己破産をした記録が事故情報として記録されることとなります。俗にいうブラックリストと呼ばれるものです。
信用情報機関は3種類あり、CIC、JICC、KSCがあります。
自己破産の場合には、この3社全てに事故情報が記録されてしまいます。そしてその事故情報が記録される期間は、信用情報機関によって異なります。
CICは5年、JICCも5年、KSCのみが10年となっています。
この事故情報が記録されている期間は、審査の基準が緩めのクレジットカードであっても作成することはできません。
すなわち、自己破産から最低でも10年が経過しないと、クレジットカードを作成することはできないということです。
◆自己破産から10年経過後にクレジットカードを作成するには
実際に自己破産を利用してから、信用情報機関の事故情報記録が抹消された頃合いにクレジットカードを作成したいとなった場合には、まず事故情報が実際に抹消されているかを確認する必要があります。
信用情報機関に登録されている個人の信用情報は、開示請求を利用することで確認することができます。
CICとJICCの場合には、ネットや郵送、開示センターの窓口などで開示請求をすることができます。
ネットと郵送の場合には1000円、窓口の場合には500円となっています。
もっとも、CICへの開示請求でネットを利用する場合には、クレジットカードのみでの決済しか受け付けていないため、クレジットカードがない場合には、郵送か窓口を利用するようにしましょう。
KSCの場合には、登録情報開示申込書を郵送することで請求が可能となっています。
手数料は1000円となっています。KSCは登録期間が10年と長くなっているため、経過年数があいまいの場合には、しっかりとクレジットカードの作成前に確認をしておいた方が良いでしょう。
ふくおか司法書士法人は、福岡県福岡市を中心に法務を取り扱っております。相続手続き、債務整理、債権回収、登記などの分野を取り扱っているため、現在これらの分野でお悩みの方は、お気軽にご相談にお越しください。
自己破産後にクレジットカードを作れるまで何年かかる?
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