■検認手続きとは?
遺言書には、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言の3種類があります。このうち公正証書遺言は公証役場で作成・保管される遺言方式であるため、内容が後から改ざんされたり、他人によってにせの遺言書が作成されたりするおそれがありません。しかし、自筆証書遺言や秘密証書遺言では、遺言書の保存・管理が各自に委ねられているため、偽造・変造のおそれがあります。
そこで、自筆証書遺言や公正証書遺言の作成者が亡くなった際には、まず家庭裁判所でこれを開封し、その内容を確認することによって、偽造や変造を防止することとされています。これが、遺言書の検認手続きです。
検認手続きは、相続人等が裁判所に申立書を提出することによって開始し、検認期日では相続人の立会いの下遺言書の開封・確認が行われます。その後、検認済証明書が交付され、遺言の執行が可能になります。
なお、2020年7月からは自筆証書遺言を法務局で保管できる制度が開始しています。この制度を利用していた場合、検認手続きは例外的に不要となります。
■遺言書を勝手に開封したらどうなる?
遺言書の管理者や遺言書を発見した相続人は、遅滞なく検認の申立てを行う義務を負っています(民法1004条1項)。これに違反して申立てを怠り、又は裁判所外で遺言書を開封してしまった場合、5万円以下の過料に処される場合があるので気を付けましょう(1005条)。
ふくおか司法書士法人では、福岡市中央区で、債務整理、相続手続き、登記手続き等の法務相談を承っております。弁護士・税理士・社労士等の他士業とも連携し、スムーズな問題解決に努めておりますので、法務問題でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
遺言書の検認手続き
ふくおか司法書士法人が提供する基礎知識
-
借金の取り立てに悩まさ...
借金をした理由は人それぞれです。就職がなかなかうまくいかず生活に困って借りることになったり、事業に失敗...
-
抵当権抹消登記とは
■抵当権抹消登記とは? 不動産の権利関係は、不動産登記を通じて公示されています。つまり、土地の所有者の...
-
遺産分割協議に必要な書類
■遺産分割協議に必要な書類 遺産分割協議書を作成する際には、遺産分割協議書の作成の過程で必要になる書類...
-
過払い金返還請求の時効...
過払い金とは、法律で定められている上限以上に、余分に支払っていた利息のことをいいます。 過払い金...
-
持ち家を守りたい方の債...
債務整理をしながらも、持ち家を手元に残したいという場合には、個人再生が最も適した方法となります。そもそ...
-
債務整理に関するご相談...
「借りたお金は返さなければいけない」 そう思い、借金の問題を一人で抱え込んでしまってはいませんか。 ...
-
相続人調査と財産調査
■相続人調査 相続人調査とは、被相続人の戸籍を調査して法定相続人が誰であるかを調べることを指します。 ...
-
自己破産のメリットとデ...
自己破産は、裁判所に申立てを行い、すべての債務を免責して貰うための手続きとなります。免責を受けると、借...
-
個人再生のメリットとデ...
個人再生は、裁判所を介して、すべての債務のうち一部を返済免除として貰い、残った債務を原則3年間で返済す...